県内ですが遠いところから来られた患者さんです。病院からの紹介です。1回のOK-432治療（外来通院治療）で著明改善しております。
この患者さんのMRIです。白い部分が液体の溜まりになります。これは、MRIのT2強調画 像という条件ですが、液体の貯留が非常に良く判ります
上は実際の治療です。最初に、細い針で試験穿刺を行いました。少し血の混じったサラサラした液体で、これを塗抹して顕微鏡で見ますと、赤血球とリンパ球が認められました。OK-432治療の適応と考えられました。
OK-432 1.5KEを4mlの生理食塩水で希釈したものを準備しました。その後、21G針で晴れているところを穿刺して、約10mlの内容液を吸引し、OK-432を嚢胞内注入いたしました。
治療後の経過です。翌日には治療の反応で皮膚が赤くなり、腫れも強くなっております。1週間後が腫れが一番強く、その後徐々に縮小しました。5週間後には。ほとんど判らなくなっております。これは、この治療の理想的な経過です。
その後の治療経過です。1年後まで写真を送っていただきましたが、再発はありません。
治療2ヶ月後のMRIです。白い部分が縮小しています。
私がこの治療にのめり込むきっかけになったのは、19991に鎖骨上リンパ管腫をOK-432で治療したことでした。このように、鎖骨状リンパ管腫に対してはこれ以上の治療は無いと信じております。
ただ、非常に珍しい病気になりますので（わたしの経験でも10例くらい）、あまり普及しません。やったことが無い治療はできないということで、手を出していただけないのは残念です。
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