この患者さんは若い女性です。近隣の市の耳鼻科の先生からご紹介いただきました。
OK-432 0.5KEを0.1mlに溶解して嚢胞内に注入いたしました（高濃度OK-432 注入法）。
治療翌日には嚢胞の色が混濁してまいりました。これは、炎症細胞に浸潤によるものと考えられます。1週間後にはかなり小さくなり、3週間後にはほとんど判らなくなっております。9ヶ月後に別の病気で受診されましたが、再発はありません。
口唇嚢胞は手術でも比較的良く治りますが、術後の痛みや糸の異物感、抜糸の必要などがあります。OK-432
による治療は1回針を刺すだけですので、患者さんの負担を考えると手術より優れている治療と考えます。