舌嚢胞 (6)

2回手術しても再発した例

成人男性の舌嚢胞です。4ヶ月前から舌の裏に腫れが出現したとのことです。2ヶ月前に最 初の手術(摘出術)を受けましたが、1週間後の抜糸の時には既に再発したとのことです。そこで別の病院を受診され、1ヶ月前に2回目の手術(摘出術)を受 けましたが、やはり抜糸前に再発したとのことです。もう手術は受けたく無いとのことで、本HPを見つけ他県から受診されました。既に2回手術を受けられておりましたので、OK-432 注入後に破れることを心配しながら治療いたしましたが、幸い1回のOK-432嚢胞内注入療法で治癒しています。

経過です。OK-432 0.5KEを高濃度OK-432注入法で注入しました。関東地方からの受診でしたが、日帰り治療です。治療翌日には腫れが強くなり、色は白く(一部は赤 く)なりました。1週間後には縮小傾向になり、3週間後にはほぼ消失しています。その後、治療後6 週間までお写真を送っていただきましたが、全く再発傾向は無く、終了といたしました。
舌嚢胞(ブランデインヌーン嚢胞)はガマ腫とほぼ同じ機序で発症する嚢胞ですから、非常に術後再発の多い病気です。日本の報告では、手術後20〜40%は再発したとされています。再発して次々拡大切除を繰り返しますと、しびれなどの後遺症を残す場合もあります。
患者さんには、「手術を2回しているので、1回では治らない可能性が高い」と十分にお話しさせていただいた上での治療でしたが、1回の治療で改善し、非常に喜んでいただけました。


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