舌下顎下型ガマ腫 (4)

この5歳の患者さんは、右の顎下部も腫れておりますが、同時に舌下部(口腔底)も腫れています。半年近く前から腫れが続いており、地元の病院からは 手術をしないと治らないと言われておりました。しかし、このホームページをご覧いただき、ぜひOK-432の治療を受けたいと非常に遠方から飛行機を乗り 継いで受診されました。

上は治療後の経過です。この患者さんに対して、OK-432の1KEを0.2mlで溶解したものを口の中からガマ腫に注射いたしました(高濃度OK-432注入法)。上の真ん中の注射をするだけですから、口さえ開いていられれば、このような幼児でも簡単に治療が可能です。
上の右が治療翌日の写真です。右顎下部の腫れは強くなり、首を動かすと痛みがあります。また、この時には39℃の発熱がありました。この状態で遠方の自宅まで帰られましたが、特に旅程に特に問題はなかったとのことです。
その後の経過ですが、治療後1週間までは強い腫れが続き、その後縮小傾向になり、2週間で治療前と同じくらいに戻りました。治療後5週間で顎下部の腫れは消失し、7週間で口腔底の腫れも消失いたしました。

残念ながら、この患者さんのその後の長期の経過は判りません。しかし、この患者さんは地元の病院で MRIを撮る時だけでも1回ではうまく撮れず大変であったとのことでした。このような年齢の患者さんを、もし手術をすることを考えたら、手術前の点滴ひと つ考えただけでもものすごく大変です。そのような患者さんでも10秒くらい口を開けてさえいただければ簡単に治療ができる例としてお示しさせていただきました。

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